専任の宅地建物取引士の設置要件
結論
宅建業の事務所には、業務に従事する者5人につき1人以上の割合で「専任」の宅地建物取引士を設置する必要があります。専任とは、その事務所に常勤し、専ら宅建業に従事している状態を指すため、他社にフルタイム勤務している人を専任宅建士にすることはできません。代表者自身が資格を持っていない場合は、常勤で確保できる宅建士を、開業準備の初期段階から探し始めてください。
この記事のポイント
- 人数要件は事務所の業務に従事する者5人につき1人以上
- 「専任」とは常勤かつ専ら宅建業に従事していることを指し、他社との兼業は原則認められない
- 代表者自身が宅建士資格を持っていれば、自らが専任宅建士を兼ねることができる
- 専任宅建士が不在になると事業を継続できないため、複数名の確保や後任探しの備えが重要
なぜ専任宅建士の設置が義務なのか
重要事項説明や契約書面(37条書面)への記名など、宅建業法で宅地建物取引士にしかできないと定められた業務があります。専門知識を持つ宅建士が取引に関与することで消費者保護を図る仕組みとして、事務所への専任宅建士の設置が義務付けられています。
「専任」の意味
専任とは、その事務所に常勤し、専ら宅建業の業務に従事している状態を指します。他の会社にフルタイムで勤務している人や、複数の事務所を掛け持ちしている人を専任宅建士として届け出ることは、実態が伴わないため認められません。パートタイムでの兼任も、常勤性の要件を満たせない場合は認められない可能性があります。
代表者が兼務する場合としない場合
代表者自身が宅建士資格を持っている場合は、自ら専任宅建士を兼ねることができます。持っていない場合は、外部から常勤で確保する必要があります。どちらを選ぶかによって、開業準備の進め方や実務への関わり方が変わります(詳細は関連記事で解説しています)。
専任宅建士を確保する前に確認したいこと
事務所の業務従事者数に対して必要な専任宅建士の人数を計算したか(5人に1人以上)
候補者が他社と兼業していないか、常勤できる状態か確認したか
代表者自身が資格を持つ場合、自ら専任宅建士を兼ねるか外部確保するかを決めたか
専任宅建士が退職・不在になった場合の後任確保の方針を考えたか
よくある質問
専任宅建士は正社員でなければなりませんか?
雇用形態そのものより、常勤で専ら宅建業に従事している実態があるかが問われます。ただし実務上は正社員として雇用するケースが多く見られます。
専任宅建士が急に退職した場合、すぐに営業できなくなりますか?
専任宅建士が不在の状態が続くと事業を継続できません。速やかに後任を確保する必要があります。詳細は関連記事で解説しています。
執筆・監修: 小嶋 勇輝(宅地建物取引士)