宅地建物取引業免許の取得要件と申請の流れ
結論
宅地建物取引業を営むには、事務所を置く都道府県の数に応じて都道府県知事免許または国土交通大臣免許のいずれかを取得する必要があります。要件の柱は「専任の宅地建物取引士を従業者5人に1人以上の割合で設置すること」「事務所の要件を満たすこと」「欠格事由に該当しないこと」の3点です。申請から交付までは知事免許で概ね30〜40日、大臣免許で標準処理期間90日程度が目安です。
この記事のポイント
- 1つの都道府県のみに事務所を置く場合は知事免許、2つ以上の都道府県に事務所を置く場合は大臣免許が必要
- 専任の宅地建物取引士は、事務所の業務に従事する者5人につき1人以上の割合で設置する
- 欠格事由(破産者で復権を得ない者、免許取消しから5年、禁錮以上の刑から5年等)に該当すると免許を受けられない
- 申請手数料は知事免許33,000円、大臣免許は登録免許税90,000円が目安(知事免許は都道府県の条例により定められるため要確認)
- 免許の有効期間は5年間で、満了日の90日前から30日前までに更新申請が必要
知事免許と大臣免許の違い
宅地建物取引業の免許は、事務所を置く都道府県の数によって区分されます。1つの都道府県内にのみ事務所を設置する場合は「都道府県知事免許」、2つ以上の都道府県に事務所を設置する場合は「国土交通大臣免許」が必要です(国土交通省「宅地建物取引の免許について」)。法人・個人事業主のいずれであっても、この事務所数による区分は同じです。
欠格事由に該当しないこと
免許を受けるには、申請者(法人の場合は役員全員)が欠格事由に該当しないことが必要です。国土交通省の公表情報によれば、免許取消処分を受けた者や、過去5年以内に不正または著しく不当な行為をした者は5年間免許を受けられません。その他、成年被後見人・被保佐人・破産者で復権を得ない者、専任の宅地建物取引士を要件どおりに設置していない場合なども欠格要件とされています。個別の欠格事由の詳細は別記事で解説しています。
免許取得までのロードマップ
免許の種類を確認する
事務所を置く都道府県の数から、知事免許か大臣免許かを確認します。
専任の宅地建物取引士を確保する
事務所の業務に従事する者5人につき1人以上の割合で設置します。
事務所の要件を確認する
独立性が保たれているか等、宅建業法上の事務所要件を満たす物件を確保します。
申請書類一式を準備する
免許申請書、専任宅建士の資格証明、欠格事由に該当しないことの証明書類等を揃えます。
申請窓口へ提出する
目安: 知事免許30〜40日、大臣免許90日程度知事免許は都道府県庁、大臣免許は主たる事務所の所在地を管轄する地方整備局等に提出します。
免許交付・保証協会加入等
免許交付後、保証協会への加入または営業保証金の供託、標識の掲示等を行い営業を開始します。
新規申請にかかる費用の目安
- 知事免許 申請手数料
- 都道府県の条例により定められるため申請先で要確認。大阪府は電子申請26,500円の例あり
- 33,000円が目安
- 大臣免許 登録免許税
- 国税・収入印紙で納付(平成29年4月1日時点の国土交通省公表額)
- 90,000円
知事免許の手数料は都道府県ごとに条例で定められています。上記は多くの都道府県で採用されている金額の目安であり、正確な金額は申請先の都道府県窓口でご確認ください。
よくある質問
個人事業主でも宅建業免許は取得できますか?
取得できます。法人・個人事業主のいずれも、専任宅建士の設置・事務所要件・欠格事由に該当しないことという同じ要件で審査されます。
免許を取得しただけで営業を開始できますか?
できません。免許交付後、保証協会への加入(または営業保証金の供託)と、事務所への標識の掲示を済ませてから営業を開始する必要があります。
執筆・監修: 小嶋 勇輝(宅地建物取引士)